「スーテント®」の服用にあたって

スーテント剤形イメージ

「スーテント®」は12.5mgカプセル剤(経口剤)で、通常、成人にはスニチニブとして37.5mgを1日1回服用します。

副作用が出た場合は、医師の指示に従って、副作用の症状、 重症度に応じて減量または休薬することがあります。1日1回50mgまで増量することができます。

「スーテント®」はpanNET(膵神経内分泌腫瘍)と診断され、根治切除不能と診断された患者さんに有効であるとされています。

ただし、過去に「スーテントカプセル12.5mg®」に含まれる成分で過敏な反応を経験したことがある人、妊婦または妊娠している可能性がある女性は服用できません。また心電図検査においてQT間隔延⻑のある人、または過去にQT間隔延⻑があった人は、原則として、この薬を服用できません。

「スーテント®」を服用いただく際は、患者さんご本人やご家族にお薬のことをよくご理解いただき、服用することに同意していただく必要があります。

監修:福岡山王病院 肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター⻑ 伊藤 鉄英 先生

「スーテント®」は体の中でどのように働くの?

「スーテント®」は分子標的治療薬と呼ばれ、2つの働きでがんの治療に効果を発揮します。

1.がん細胞の増殖を抑えて分裂を遅くします

はじめはたった一つのがん細胞でも、分裂を繰り返すことによってどんどん増殖し、大きながんのかたまり(腫瘍)を形成していきます。そして、周りの正常な組織に入り込んで組織を壊したり(浸潤)、血管やリンパ管を通って離れた他の臓器などに転移して増殖したります。また、がん細胞の分裂のスピードは正常細胞に比べてとても速いことが知られています。

「スーテント®」にはそのようながん細胞の増殖を抑えて、分裂のスピードを遅らせる働きがあります。

2.がんに栄養を運ぶ血管の形成を抑えて作らせないようにします

がんが大きくなっていくためには、たくさんの栄養が必要です。最初はもともと自分の周りにある血管から栄養を摂取し増殖をしていきますが、そのうちそれだけでは足りなくなります。そこで、がんはさらに大きく成長するために、自分専用の血管を新しく形成作り出していくのです。(血管新生)

「スーテント®」には、こうした新しい血管の形成を抑えて作らせないようにする働きもあります。

栄養を運ぶルートがなくなれば、がんはそれ以上大きくなることができません。つまりがんを兵糧攻めにし、餓死させることができるのです。

監修:福岡山王病院 肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター⻑ 伊藤 鉄英 先生

「スーテント®」を服用する前に確認するべきことは?

家庭血圧を測定するイラスト

「スーテント®」は、血圧に影響する可能性もあるお薬なので、家庭血圧を毎日欠かさず測定する習慣を身につけてください。

また患者さんによっては少し出血しやすくなったり、出血が止まりにくくなったりします。ですから、歯の治療や痔の治療、あるいはそのほかの手術が予定されている場合は、事前に行ってください。

すでにほかの病気にかかっていて、ほかの薬を服用している場合は、事前に主治医または薬剤師に相談してください。

監修:福岡山王病院 肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター⻑ 伊藤 鉄英 先生

「スーテント®」はどのように服用するの?

「スーテント®」はカプセル状の飲み薬で、水と一緒に服用します。カプセルのまま飲むようにしてください。
なお、次のように飲み方が決められています。

  • ■通常、成人にはスニチニブとして37.5mgを1日1回服用します。
  • ■副作用が出た場合は、医師の指示に従って、副作用の症状、重症度に応じて減量または休薬することがあります。
  • ■医師が必要と判断した場合、患者さんと相談の上1日1回50mgまで増量されることがあります。

監修:福岡山王病院 肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター⻑ 伊藤 鉄英 先生

「スーテント®」を服用中に気をつけることは?

「スーテント®」を服用しながら生活していただく上で気をつけていただきたい点をまとめました。

Q飲み忘れや服用量を間違えたときは、どうすればよいですか?
A飲み忘れたときは、医師の事前の指示にしたがうか、医師、薬剤師、看護師に連絡して指示をあおぎましょう。服用量を間違えたときも同様です。
Q食べてはいけない食べ物や飲み物はありますか?1日の摂取カロリーは?
A注意が必要な食べ物や飲み物は特にありませんが、グレープフルーツジュースはお薬の効き目を強める可能性があるので、服用期間中は避けてください。
また摂取カロリーに制限はありませんが、生活習慣病にならないように、食べすぎには気をつけましょう。
Qお酒やタバコは続けてもよいですか?
Aアルコール摂取や喫煙が「スーテント®」の効果に影響を与えるという報告は特にありません。したがって、続けていただいてよいのですが、健康的な生活を送るためには、最小限度にとどめておくことが大切です。
Q入浴制限はありますか?
A
入浴中のイラスト
特にありません。就寝前の入浴は、あまり熱い湯にしないほうがよく眠れるといわれています。
また「スーテント®」の服用によって、皮膚によく現れる手足症候群を悪化させないために、熱いお湯での入浴は避ける方がよいでしょう。身体を強くゴシゴシ洗わないように注意してください。
Q日常生活で特に気をつけることがありますか?
A服用開始後は、出血すると治りにくくなることがありますので、けがをしないように十分注意してください。また少しこすっただけでも出血することがありますので、肌の露出部を少なくしたり、皮膚が乾燥しすぎないようにする工夫が必要です。さらに皮膚が荒れないように、常に清潔を保つよう心がけてください。

監修:福岡山王病院 肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター⻑ 伊藤 鉄英 先生

他の薬剤、食品と併用する場合のご注意

● 以下の薬剤や食品と併用する場合は注意してください。

薬剤名
  • ・アゾール系抗真菌剤
    (イトラコナゾール等)
  • ・マクロライド系抗生物質
    (クラリスロマイシン等)
  • ・HIVプロアテーゼ阻害剤
    (リトナビル等)
  • ・グレープフルーツジュース
  • ・副腎皮質ステロイド
    (デキサメタゾン等)
  • ・抗てんかん薬
    (フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール等)
  • ・抗結核薬
    (リファンピシン等)
  • ・セイヨウオトギリソウ
    (St.John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
  • ・QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
    イミプラミン、ピモジド等
  • ・抗不整脈薬
    キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、ソタロール
影響 これらの薬剤、食品と併用すると、スーテント®の作用が強く表れることがあります。 これらの薬剤、食品と併用すると、スーテント®の作用を弱めることがあります。 これらの薬剤と併用するとQT間隔延長、不整脈の副作用が表れやすくなる可能性があります。

監修:福岡山王病院 肝臓・胆のう・膵臓・神経内分泌腫瘍センター⻑ 伊藤 鉄英 先生