今や、日本人の2人にひとりが何らかのがんになると言われ、誰もがかかりうる病気です。一方でがん研究は発展し、これまで難しかった治療が可能になりつつあります。
「スーテント®」はそのような最先端の研究から生まれたおくすりです。
「スーテント®」は長期間服用することで効果を発揮します。患者さんがより長く「スーテント®」と付き合っていけるよう、ご家族でこのWebサイトをご活用ください。
監修:国立がん研究センター東病院 病院長 大津 敦 先生
副薬剤部長 松井礼子 先生
治療を続けていく上で、患者さんだけでなくご家族の方々がつらい思いをすることもあるでしょう。
がん治療とどう向き合うかは、がんの種類、患者さんの状態や環境などによって異なります。ここにがん治療を始めるにあたっての3つのアドバイスを紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
患者さんが懸命にがんと闘っているとはいえ、ご家族の生活のすべてを患者さんに費やすことには無理があるでしょう。患者さんを応援しながら、自分のための「ほっとする時間」を作りましょう。自分の時間を持つことに罪悪感を感じる必要は全くありません。ご家族が精神状態を良好に保つことによって、患者さんが前向きに治療に取り組めるようになります。
よくわからないことについて、人は不安を感じるものですが、がんに対して過度に不安にならず、気になることは医師や看護師、薬剤師に聞いてみましょう。また、本や雑誌、インターネットを使って情報を集めるのもよい方法です。ただし、なかには信憑性に欠けるものもありますから、そのままうのみにせず、疑問に感じたら医師や看護師、薬剤師に確認するとよいでしょう。
がんと闘う患者さんの気持ちは、たとえご家族であっても100%理解することはできません。肉体的・精神的につらい状態の患者さんの言動は日々変化する可能性があり、それに対してご家族は一喜一憂しているのではないでしょうか?
それでも、まず患者さんの言葉を傾聴することから始めましょう。人は、話を聞いてもらうだけでも、気持ちが落ち着くものです。
「スーテント®」はがん治療のおくすりです。
腫瘍を小さくし、生存期間を延長させるなどの効果が評価され、日本では2008年から使われています。
「スーテント®」を含めた抗がん剤は、効果がある一方で、がん細胞だけではなく、正常な細胞にも影響を及ぼすことがあります。それは副作用として現れますが、がん治療ではどうしても避けることができません。しかし、早めに副作用対策をすることで重症化する前に対処・治療できますから、過剰な心配をされないようご家族の方も応援してください。副作用をいかにうまく乗り越えていくかが、治療のカギとなるのです。
おくすりの効果と副作用の出かたは個人差が大きく、事前に予測がつきません。実際に治療を行ってみて、効果と副作用のバランスをみながら、最適な治療を行っていきます。
患者さんの変化に注意し、気づいたことがあれば、すぐに医師・看護師、薬剤師へ相談してください。
「スーテント®」の副作用に関する症状として、以下のものが現れることがありますので、医師に相談して適切に対応するようにしましょう。
「スーテント®」の治療効果を十分に得るためには、副作用をうまくコントロールしながら、「スーテント®」をできるだけ長期間服用することが重要です。
患者さんひとりでは、副作用対策はうまくいきません。ご家族が協力して、患者さんの状態をよくみることが大切です。
どんなささいなことでも、気になることや変化があれば、医師や看護師、薬剤師に伝えましょう。
患者さんの体調の変化を日々記録することで、医師や看護師が副作用などを早めに察知できるようになります。
毎日の記録は、つい面倒に感じてしまうものですが、ぜひ、ご家族が声をかけて忘れないようにしましょう。
「スーテント®」の副作用として、皮膚が日焼けしたように赤くなって痛みを感じたりする症状が現れることがあります。普段から肌を清潔に保ち、保湿することで、症状は軽減できますので、スキンケアを怠らないようにしましょう。
特に、スキンケアをする意識の低い男性患者さんなどには、ご家族の協力が重要になります。スキンケア用品は、一般に薬店等で販売されている低刺激性のもの、アルコール・香料・保存料の入っていないものがよいでしょう。
「スーテント®」の副作用として、高血圧の症状が現れることがあります。変化を見逃さないよう毎日測定し、記録することが重要です。朝・晩の2回測定するのが理想的です。測定忘れがないか、声をかけてあげましょう。
治療を続けていく上で、色々なストレスを抱えることがあるかもしれません。ストレスは心身の不調をきたすため、うまく対処していくことが重要です。
リラクゼーションとは、一般には「息抜き・くつろぎ・緊張を解くこと」とされています。身体の緊張を解いて心身をコントロールすることにより、ストレスに柔軟に対応しましょう。
ここでは、ご家庭で簡単にできるリラクゼーション法をご紹介します。患者さんと一緒に行うことで、よりよいコミュニケーションがとれます。
ゆっくりと腹式呼吸を行うことで心身をリラックスさせます。横になるか、いすに楽な姿勢で腰掛け、おへそのあたりに両手を置きます。「おなかをへこませながら口から息を吐き、おなかをふくらませながら口から息を吸う」を何度か繰り返しましょう。
身体を柔らかくすることで、心の緊張も同時にほぐします。あまり力をいれずに、ゆっくりと伸ばしたり、回したりして、少し痛くなる程度で止めましょう。
リラックスできるシーンをイメージすることで、身体の力を抜いていく方法です。
自分をリラックスさせるイメージを思い浮かべましょう。たとえば、お風呂につかっている、日向ぼっこをしている、などです。これらをイメージしながら、身体の力を抜いていきましょう。